2010/09/17

押しつけがましいコントに一喝、『ケーブル・ガイ』の自虐はさすがw

最近引っ越しをしたのですが・・・.
ケーブルテレビの勧誘しつこいよ~.

ケーブルどころか、テレビなんかみないよ。
ほんっとつまんなくない!?テレビ。
チャンネル少ないしさ~、共産主義か!この国は!

今日は父と母が食糧の援助をしてくれたので、ちょっとしたごちそうでした。
でも、観るべきテレビ番組がないw
つまんねーつまんねー

確かに民放はほとんど見ないので,有料チャンネルを入れたい今日この頃.
でもこんなに薦められると加入したくなくなるってのが人情だよ.
はっきりいって、ほっとかれれば加入するけど?

私は子供の頃から,テレビは洋画とニュースのみ観ていたように思います.

淀川さんとか水野さんとかがちょっとした解説をして,ああこれから特別なのが始まるんだな
っていう感じを味わった最後の世代かもしれないですw

私たち80年代生まれにとって,映画はBack to the Futeureとか、インディジョーンズとか・・・
アメリカは明るかった・・・!

子供のころ,ドキドキしながら観たもんさ.

「今日は9時過ぎても起きてていい!?」って感じで

スティーブン・セガールやクリント・イーストウッドのえいがだったり,
邦画(蛍の墓とか釣りバカ)だったりすると,がっくりしてましたw

子供時代のテレビでの映画体験ってその後の映画の嗜好
にずいぶん結びついてるみたいだね
特に小学生くらいに観た映画・・・・・.

私はウォーターワールドでさえ『名作』として記憶しております
(1995年度のワースト作品賞・ワースト主演男優賞・ワースト監督賞・ワースト助演男優賞のみねーとw)
だってユニバーサルスタジオにあるんだもん.

あの縦じまぴちぴちパンツと、はげちょびんは素敵だったではないか!


・・・といえば
ジム・キャリーが主演の『ケーブル・ガイ』ってコメディ映画で,
「ウォーターワールドは批評家にたたかれたけど、好きな映画だったんだ!」
とか叫ぶシーンがあって,はじめて私はウォーターワールドが‘そういう扱い‘なのをしりましたw


でね~このケーブル・ガイってまた結構面白いえいがでね,
監督はナイト・ミュージアムの俳優の,ベン・スティラー
ジャド・アパトーも制作に携わっていたようです.
あとどうでもいいけど,ケーブルガイにもウォーターワールドにも
ジャック・ブラックがちらっと出演してますw
主役(ジム・キャリー)は,育児放棄されて一人でテレビばっかり見て育ち,
とにかくテレビのことに詳しいプロフェッショナル.
でも実は愛情の欠落した少年時代のせいで,ゆがんだ性格をしていて
「とにかく友達がほしいーーー!!」と,
友達になりたくてとにかく仲良くなった人をストーキングするって話です.


いろいろあった末、
追い詰められたケーブル・ガイは本当は悲しくてたまらなかった、
てれびじゃなくて両親に育ててほしかった幼少時代のトラウマを吐露し、
「誰かがベビーシッター代わりのテレビってものを破壊しなきゃいけない!」
みたいなことを叫び、巨大なテレビアンテナ塔から飛び降ります.

ああ,テレビばっか見てる現代人へのメッセージ?
テレビ時代がうんだ弊害のことか???っていうかんじですね~

この映画は90年代後半くらいだったかと思いますが,
監督のベン・スティラーは90年代前半に,The Ben Stillerって番組をジャド・アパトーと
つくっていました.FOXとかMTVとかそのあたりでよく見かけてたんだw

この人はバカみたいな映画をたくさん作っていますが、女性にはあまり面白くないですw
もてない男の気持ちはわからなすぎて、ホラーですw
MTVなんかはくだらない番組を垂れ流して、
見てると馬鹿になるwってか見てる奴は馬鹿wみたいな風刺がたくさんありました.

かうちにすわってMTVみて「Iiii...it's ....it's cooloool ....」とか言ってる
ビーバス&バッドヘッドは自虐ネタで有名だったしw

つまり
ケーブルガイはそういう番組を作ってる当事者が作った映画なので,
その類のただの自虐でしょうw

このジャド・アパトーという制作者の方は、「40歳の童貞男」というなかなかGOODな
映画もつくっていて,これはコメディーでありながらなかなかシビアで,
見てよかったなと思える現実を描いておりました.
その辺の学者さんより,統計ではない社会の片隅の人間模様をよく描いていたと思います.
ちょっと女性の私から他人にお勧めするのははばかられるので,詳細は書きませんがw


それでケーブル・ガイですが,何といっても見どころはジム・キャリーでしょう
ユニークで人気者で人づきあいも上手,あれ?でもちょっとこいつめんどい・・・
と思った時には・・・・もう遅い!!!!
っていうのを面白いんだけど怖く演じてますw

それにしても一人芝居w

確かにジム・キャリーの知名度はこのころ言うまでもなく、日本でも人気でした.

しかしこの映画での演技,なんか押しつけがましくていらいらしてきます



日本の漫才は,「ぼけ」と「突っ込み」の2人の間で交わされるけど,
アメリカのコメディってやたら客に話しかけてくるでしょ?
私は子供のころそれ,だいっきらいでしたw

自分はリズミカルなトークがうまいって感じでずけずけ人のこと聞いてきて,
勝手に観客をネタにする,平気でそういうことするんだよね
私自身オハイオ州にホームステイに行ったときに手品のコメディを見に行った経験があり,
白人だらけの町で当然ネタにされましたよ.

アメリカ人ってうざい・・・・ついてけない・・・・こういうのめんどくさい
って思ってたけど,それは私が日本人だからってわけじゃないんですね~.

で,ケーブル・ガイに付け回されるマシュー・プロデリック演じるサラリーマンが,
また断り切れない感じで,なんか日本人みたいなんですね~w
ちなみにこの俳優,妻はSex and the Cityのサラ・ジェシカ・パーカー.
(なんか地味w)

ちょうど90年代とうと,っていうか今もそうですが,アメリカ式経営とか
コミュニケーション能力なるものがもてはやされ,
社交性が崇拝されていた時代じゃないでしょうか?SATCも始まったことだしw
日本人は英語ができないってよりも,人づきあいが下手だからグローバル化できない
みたいな,そういうの,あったじゃん?

で、この映画を観て私はうざいアメリカ人がなんでうざいんだか分りましたw


『スクール・オブ・ロック』と、『ハイ・フィディリティ』でジャック・ブラックが演じた、
他人に押し付けてくる系のおたくのうざーーーい感じに並ぶうざい一人演技でした。

ケーブル・ガイがさ、会話の節々に映画のシーンやセリフを引用してきます。
観ているほうは、しらねーよ、みてねーよ、って思うわけです。


ジム・キャリー演じるこのケーブルガイのうざさは、テレビそのもの。



日本の最近のバラエティーも最近字幕出たり、客席の笑い声を演出した音声とか、
「ね、ここ面白いでしょ!?」って感じの押しつけがおおすぎて興ざめしちゃうんですね。

最近のテレビは、確かに偉そうですね。
セレブだなんだと言って、まるで特権階級か何かのような感じです。
「面白いのがわかんないの?おまえばかか?」みたいな、
「わからないのは観客が悪い」とか、
FOXの番組制作者がこれを作ってるのが、自虐的でさすがですね。

ベン・スティラーはこの映画以外にも、『トロピックサンダー』ではいろいろな俳優や映画をばかにしたり、『ズーランダー』ではモデルたちを徹底的にばかにしていて非常に面白かったです。

セレブ達がちゃらちゃら遊んで、あれがはやってるこれがはやってる、
痩せていなきゃいけない、こういうライフスタイルがかっこいい、
そういう押しつけをよく描いていると思います。

なんとなーく傲慢でおしつけがましくて嫌だなあ・・・この人たち・・・・っていう観客の感覚を
鋭くついた映画だと思う。

しかも、「これ系」の演技で売っているジム・キャリーに、この演技をやらせるとは、
ベン・スティラーというひとはすごいと思います。


たとえば「王様のブランチ」で、「TBSのドラマは見た目ばっかいい俳優揃えて、
空っぽな脚本ばっかりなので私はこれからのキャリアをかんがえてしばらく出演したくないですね。」って谷原章介が笑いながら言うのくらいすごいことです。
絶対言わないだろうけど・・・・。