2010/09/14

文学的なのにコメディーな映画『ワンダーボーイズ』

ずっと前に見た映画で,ものすごーーく印象深くて
もう一度見たかったのに題名がわからなかった映画です.

覚えてるのは,「歴代の名作はラリってるときに生まれる」とかいう教授のセリフと,
ジェームスブラウンみたいな男が車を取り戻しにくること.
あと,マリリンモンローの遺品のジャケットがでてくること.
なんとなく『グット・ウィル・ハンティング』みたいな映画だったこと.



そんだけw

で,最近やっとこの『ワンダーボーイズ』という映画だったのが発覚し,
さっそくDVD借りてきましたw


監督は『L.A.コンフィデンシャル』『In Her Shoes』『8Miles』のカーティス・ハンソンさんです.

映画は大学のゼミで、討論のシーンから始まります.
ベストセラー作家でもある有名な教授(マイケル・ダグラス)


その教室に,不思議な学生が一人・・・
得体のしれない挙動不審気味な天才学生(トビー・マグワイア)

教授はジャンキーで,車のダッシュボードに隠し持ってて,
ことあるごとにすっぱすぱやってます.

ある日,この教授の悪友であるこちらも「元」敏腕編集者(ロバート・ダウニーJr)
がNYからやってきます.


この「元」の人たち2人の生活がいいw
教授の家にたまりこんで,ボヘミアンな雰囲気ですw


舞台はピッツバーグ.
オハイオにホームステイで行った時に,ドライブをして連れて行ってもらったことがあります.
非常に歴史のある町で名門大学が名を連ね,歴史的住宅も現存しています.

この映画の舞台はたぶんカーネギーメロン大学.
カーネギーメロンは工科で世界的に有名ですが,
アメリカでもっとも伝統のある文学部もあります.



卒業も難しいこの難関大学の文学部,
そこの教授が主人公です.

大学で年に一回のイベント,Word Festivalの日に,
人生の起点が訪れます.

不思議な学生(トビー)をひょんなことから助けることになった教授(M・ダグラス)が,
ちょっとよんでみよっかな~とトビーの持ってた原稿を読んでみることに・・・・

すると,なかなか面白いw
才能のある少年であることが発覚

しかし・・・どうやらこの学生・・・家庭に問題があるのか?
ちょっと変人なんですね.
パーティーでいきなり,
歴代の俳優の自殺方法をアルファベット順で披露したりする場面があったりしますw
危ないやつなんだけど,でもなんかにくめない
変人だけど,変態趣味だけど,変態なことはしなそう.
そういう繊細な雰囲気!!マグワイアの演技,よい

教授は家族からもなんのサポートもなさそうな
この学生の背中をおしてやろっかなって気分になってくるものの,
その一方で自分も不倫問題をかかえてて,
かつての自分のベストセラーへのプレッシャーで押しつぶされそうで,
それでいてスランプで・・・悶々とジャンキーな日々を送っています.


で,この映画,なんかすごいおもしろいな~とおもうポイントは・・・
やっぱりダウニーJr演じるゲイ編集者でしょうw

私、この人好きw
おもろいw

アリー・マイ・ラブのラリーとして,私は彼を知りました
ラリー・・・・・・似合ってなかったよねあの役・・・・・
アリーもさあ,シーズン後になっていくにつれて精神障害っぽくなってくし,
きゃりすたさんは拒食症でガイコツみたいで髪もぱっさぱさになっていくし・・・・
なんだったんでしょうwあのドラマw

この映画もアリーも2001年くらいだから,だうにーJrのギャップはすごいです
しかもこのころドラッグであまりにもきつくなってアリーを降板したりしています

そうだそうだどうでもいいやそんなん.
アイアンマンで大人気になって,シャーロックホームズもやって,
最近あたり役だよね~
よかったよかった

あ、で,ワンダーボーイズですが

カーティス・ハンソン監督の作品って,全部寒々しい感じで,
この映画も秋から冬のようななんかどんよりとした風景がおおいんですね.
東海岸の感じです.

教授がマリリンモンローのジャケットを取り戻すのに失敗し,
ジェームスブラウン似(?)の男に撃たれそうになるところでこのJr演じる編集者が
「今たすけるぞー!」と車で暴走し,
教授の原稿をまき散らしちゃうってシーンがあります.

で,教授とジェーームスブラウンが
ぽかーん(*´Д`)
ってその暴走する車と飛び散っている光景を見つめる場面で,
教授が 「あいつを撃ってくれ」ってセリフw

結局Jrのせいで原稿吹っ飛ぶし,車もダメになってジェ-ムスブラウンに
車で送ていってもらうんだよねw

人生のスランプ,不条理な世の中,コンプレックス,そういうことをシリアスに
描きながらも自己憐憫にならない素晴らしい映画です.
コメディっぽいエッセンスがインテリ野郎どもの嫌味に見えないのは
やっぱロバートダウニーJrの演技でしょうw

似たような映画で,ショーンコネリー演じるかつてのベストセラー作家が,
貧しい黒人青年に小説の書き方を指南する過程で心を開いていく
『小説家を見つけたら』(2000年くらい)というのがあります.
これもまたいい映画だった .
で,この映画の監督は『グットウィル~』のガス・ヴァン・サント監督です


ワンダーボーイズは2001年頃の作品だと思うので,
ガス・ヴァン・サント監督へのオマージュ作品かもしれないですね~
ああ本人に聞いてみたいw

それでいてワンダーボーイズは,私のなかで
『グットウィル~』や『小説家を見つけたら』を超えてます


いうまでもなく,ボブ・ディランの挿入歌はセンスあり!
監督・脚本・俳優,すべてそろった稀有の名作

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