2010/09/14

尊厳は命にかかわるんだ!!(前半) 『海を飛ぶ夢』

ついてない・・・月曜に不眠症がやってきてしまいました

まず,私が嫌いな映画ってのは価値観を押し付けてくる映画です
そのなかでも「がむしゃらでも頑張るのは,生きるのは絶対すばらしい!」
ってのを押し付けてくる映画.
具体的に作品はあげないけどw

生きてりゃいいってもんじゃない人もいるんですが・・・
ってことを,ちょっと考えてほしいね.

そこで・・眠れないで考えることって,まあ今も昔も死についてでしょうw



ってもだらだら映画をみていただけですが

『海を飛ぶ夢』(2005)をみました.
主演は『ノーカントリー』の、あのシガーの人ハビエル・バルデムですよw
シガーは恐ろしかったね~

すっごいキャラでしたよあれwなんだこの差はw
俳優ってすごいですなあ


で,この作品ですがまあよくある尊厳死がテーマで,
人としての尊厳を失い,安楽死を認めてほしい男が主人公.

この寝たきりの男が横たわる部屋,美しいです.
女性もとてもきれいです.

ストーリーは感動ものなのでまあ普通にいいですwはい.

私的見どころは何といってもこの映画に出てくる,
ラジオDJの女性でしょうw
すげえむかつくのw

この女は,寝たきりの主人公のところにいきなりやってきて,
「人生は,生きるに値するわ」とか涙交じりに感動的に言ってきます.
慈悲と理解のある自分に自己陶酔するような,この女w
あああいる!なんつーかうざいよね

・・・あのさ・・・・
同情の余地のある人物に対して自分の慈悲を見せようとする
さびしい人間っているじゃん?

つらい時こそそばにいるのが友達,とかさ,ぬるーい映画がいっぱいあるけど,
私が思う友情って,自分がどん底にいるときこそ見て見ぬふりしてくれる人だと思うな.
ほんとにめでたい時に一緒に喜んでくれないくせに
葬式やお見舞いには来る奴って,いるでしょw

その気持ちを表に出したりこんなにうまい具合に描くなんて,すごいなあと感心しました.


←ミザリーのキャシー・ベイツを彷彿とさせる,
不自由な男への異常なまでの束縛w
ミザリーはトラウマなんだよね・・
みなきゃよかったよかったのにさ~

主人公にその偽善を指摘されて,この女が部屋から飛び出すシーンで,
寝たきりの彼がつぶやきます.
「いいよな・・・きみはにげられて」

この映画の主人公は,
死期が迫ったことを知り,家族関係の関係を修復しようとする『海辺の家』とか
あれ系の映画と違いもうこの主人公が20年以上もこの状態で生き続けているのが
ポイントではないでしょうか.


同じ毎日を繰り返している人間が
死を決意したからこそ,始まる人生の映画です.


死を意識して人生を考える、という映画では黒沢明監督の『生きる』がございますね。
また話が長くなるのでそれはいいとして・・・


偽善者の牧師などなどところどころ滑稽でいて,面白い.
寝たきりながらも結構な皮肉屋で,鋭く彼らの周りに集まる人の本性を
皮肉交じりに鋭く指摘する主人公

こういうちょっとしたジョークとか,彼の部屋の明るさが,
この状態が主人公にとって日常で,人生となってしまった
当事者の彼の絶望感を感じさせます.


 これ,『めぐりあう時間たち』(2002)の
HIV末期患者の詩人エド・ハリス
をおもいだしました.
やせ衰えた足,芸術を生み出せなくなった頭脳,
・・・そして異臭をはなつ体・・・

しかし妙にセクシーだったな,このエド・ハリスはw
死にゆく男と,女・・・・

死にゆく男に女が恋をしてしまうのは何故でしょうか・・・?



めぐりあう時間たちと言えば
メリルストリープですが,
彼女は『母の眠り』(1998)で
すさまじい闘病生活を演じていました.
この映画,姉が大好きなのがきっかけでDVDを観たのですが,
私もものーーーっすごく好きな映画です.


死にゆく女性が主役の映画では,男はたよりないですなw

これらの映画の主人公たちがみーんな口にするのが,
「こんなふうに行きていたくない」
「こんな姿をさらしたくない」
といったセリフですね・・・・


『母の眠り』『海を飛ぶ夢』そのほかにも『海辺の家』とか,
以前紹介した『マイライフ・マイファミリー』なんかは,
死をテーマに家族愛とかを描いていますが,


じゃあ家族がいない場合は?・・・てか
自分と向き合う場合は?
って作品がございますが長くなるので,次回へw

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