新作かと思って手に取ってみたら2007年に日本では未公開だった映画です
監督のタマラ・ジャンキンス(女性)
長編はこれで2本目のようです.
最初の監督作品は「slums of beverly hills」ってコメディで,10年くらい前の作品.
これもアメリカで見た覚えがございます。
主人公は年頃の女の子で,父親役はアラン・アーキン.
この人は最近だとリトルミスサンシャインでどうしょもない親父のやくとか
シザーハンズの(まだ可愛かった)ウィノナ・ライダーのお父さんを演じてた人ですね.
まあ、そんなかんじのどうでもいいファミリーコメディーえいがです.
で,マイライフ・マイファミリー(現代:The Savages)ですが・・・
これは笑っていいのかシリアスなのか
はっきりいって,観る人によっては退屈
修士号を持ち、劇作家を目指しながら派遣で働いている妹(ローラ・リニー)と,
いつまでも独身の大学教授の兄(フィリップ・シーモア・ホプキン)が,
疎遠にしてた父親の介護を急に引き受けることになり・・・というお話.
ですが
きょうだいで父を介護することで、家族のきずなが深まるというよりも、
この2人の人生を見直すお話です。
ローラ・リニーさんはトゥルーマンショーでの演技が面白かった人です
・・・年取ったねえ・・・
テレビ見ながらエアロビやってる姿は,笑えてしまったww
そんで兄役のこの人,私の印象ではパッチアダムスの卑屈な秀才役,リプリーの卑屈な金持ち役,マグノリアのかわいそうな介護士役のイメージで,この役でもなーーんかインテリなんだけどダメ人間っぽい感じが漂っていていいです
「おまえ、ぜったいもてないよ」って感じw(失礼)
そういえばこの人、変な経歴の持ち主で高校時代はレスリングの選手
両親超インテリじゃん!
あとさーどーでもいい話だけどさ,施設でこのお父さんの介護を担当する黒人の青年をGbengaAkinnagbe(アキナベって読むらしい)が演じているのだが,このひと最近よく見るラッパーのWaleといとこなんだってさ.
全く好かんタイプのラッパーだよ.なんか最近ラテン風味なのは流行りなのかい!?
あ、そうだそんで映画ね
父親の介護以ではなくこの兄妹の人生ですよ、私が心打たれたのは
介護の問題は,たいして焦点ではなかったようにおもいます。
父と子供たちの間になにかあったっぽいんだけど,別に深く描かれないんだよね
でもそれは,まあ大人ならなとなく察しのつくことで・・・
この2人は、インテリだけど、はっきり言ってさえない人生を送っています。
さえない人生とかを描いている映画でも,たいていは「いいじゃんそんないい友達いて」とか
「しごとがかっけえじゃねえか」とつっこみたくなるシーンがあるものだけれど,
この映画はほんっとに限られた人物しか出てこなくて,
日常に事件はないひとの人生を描いています.
「あの人って休みの日何してんのかね~」「なーんもしてないんじゃなーい?」
っと言われる人々の,
「どのとおりですよ!?でも,実は夢があったり・・・邪魔されたくないことがあったり・・・」
って人生をうまーく描いています.
実は自分でもなんとなくしか自分のことをわかってない人の,日常.
こんなふうに夢やぶれ。。。っていうか敗れきっていない中途半端な人生を送っている人は,多いんじゃないだろうか
「介護」という逃げられない事情が介入し,否定されることによって,
ぼんやりしていた自分らしい人生をやっと主張し始める.そんなかんじ.
他人からどうだっていいような人生かもしれないけど,いざそういわれると自己主張したくなる.
そんな人生だって,自分のものなんだからいいんじゃないかって思えるいい映画です。
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